TIME Fluidityに乗り換えて約一か月半、距離にしてだいたい1000㎞近く走ってきました。
乗りやすさ、カッコよさなど大変気に入っておりますが、製法に対するこだわりや細部の作り込みなどにも感心します。
YouTubeなどで見かけたTIMEのフレーム手作りに関する動画をメモ代わりに上げておきます。
TIME Perfection in Every Strand 4:48
TIMEフレームの制作工程が全体を通してまとめられています。
わりとまとまった感じのプロモーションビデオって感じですね。
BRAIDED CARBON STRUCTURE 1:06
「BRAIDED」は「編み込み」という意味です。
TIMEの製法(細かく切ったカーボンのシートを張り付けて作る通常の製法との違い、筒状に編み上げたカーボンを型にかぶせていく方法)にフィーチャーしています。
BRAIDED CARBON STRUCTURE
カーボン編み込み構造
複数の方向に複雑に繊維を編み込むことで「ソックス」を作ります。異なる素材を組み合わせるのに有利な工法です。16種の繊維を採用して完璧な積層構造を作りあげました。このプロセスが、自転車界では前代未聞のことを可能にしました。構造体の端から端まで、途切れることなく繊維を配置する方法なのです。
TIME Bicycles - Resin Transfer Molding (RTM) 1:16
こちらはTIMEのもう一つ他社と異なる独自の製法(RTM、レジン・トランスファー・モールディングといわれる製法)のビデオです。
通常ロードバイクのカーボンフレームは、あらかじめ樹脂を浸透させたカーボンシートを使用するらしいのですが、、TIMEではロウで作られた内側の型にカーボンを巻き付けた後で、液体のレジンを注入し樹脂をいきわたらせる方法を取っているとのことです。
RTM
RESIN TRANSFER MOLDING
レジン・トランスファー・モールディング
複合素材の構造体の欠点を最小限に抑える最適な方法です。外と内の型の間に樹脂を注入し、エアポケットが押し出されてすきまのない構造ができあがります。
TIME BIKE 2014(savoir-faire)7:04
モノクロ動画で、フランスっぽい音楽とともに製造風景と作ってる人の紹介がされてます。
savoir-faire(サヴォアフェール)とは、フランスの高級ファッションブランドやジュエリーブランドでよく使われる言葉で、シャネルなどが自社の職人たちの見事な仕事ぶりをサヴォアフェールと呼んでいるようです。「匠の技、職人的技術」と簡単に訳されることもあるようです。
ガムかみながらだるそうに仕事してるパート?のフランスのマダムがいい味出しています。
Time factory and production virtual visit at twohubs.com(7:51秒)
こちらは、「TIMEの向上を見学してみよう」といった感じの動画で、軽快な音楽とともに各製造工程が紹介されています。これがほんとのプレミアム社会見学ですね。
Fabrication TIME : Version Courte -14(savoir-faire)2:22
上のモノクロ動画の別バージョンのようです。
Time Carbon Frame | Manufacturing Process(3:17)
ここまで上げた動画ではけっこう同じ時に撮った映像を使いまわしていたりしますが、
この動画は別の時期に撮影したようで、上の動画たちとはかぶっていないようです。
現在のTimeのR&Dマネージャーのザビエル・ルサ-ブシャールさんです。
有名な ジャン・マルク・グッグヌーさんは引退されたそうです。
fruidityはけっこう息が長い(設計が古いともいう)モデルなので、グッグヌーさんの時代の製品だと思われます。
伝説の名エンジニア、ジャン・マルク・グッグヌーさん(引退)
白黒のビデオには出演されてますね。
Time Sport Manufacturing Process(6:21)
こちらも他の動画と違い、オリジナルの映像が使われています。あまり加工などがされていない撮ったままの映像でそっけないですが、生々しいリアルな姿って感じですね。
TIMEのはじまり
身体を機材に合わせるのではない、機材を身体に合わせたのだ
スキー板とビンディング
スキーをやる人なら、スキー板にはビンディングという部品が付いていてスキーブーツが固定できるようになっているのを知っている。でも、その装置と自転車用クリップレス・ペダルは同じ人物が発明したことを知っている人は多くないだろう。
スキーの世界では、ずっと以前から脚の骨折や靭帯損傷が多かった。1930年代からブーツをスキー板に接続するビンディング機構に様々な工夫がなされた。しかし第二次世界大戦後になっても、転倒時にビンディングが自動的にリリースすることはなく、なにかのミスで足首やヒザに大きなネジレの力が加わるとスキーヤーがケガをする確率がとても高かった。
フランス・ルック社の技術者ジャン・ベイルが様々な工夫の末に、スキーに過大な力が加わるとブーツがスキー板からリリースするシステムを作り上げた。1950年のことである。
ジャン・ベイル
自転車への応用
一方、自転車の世界では、ペダルにクリップを付け、シューズをストラップで縛り付ける方法が続いていた。1971年にイタリアのチネリが自転車界初のクリップレス・ペダルを開発した。しかし、実際に多くの競技者たちに使われることはなかった。
1980年代に入ると、ルック社のベイルは自分の技術を自転車に活用できないかと考え始めた。もちろん自転車競技ではスキーのように脚が折れるということは少ない。しかし、シューズをペダルに縛り付けることで固定しているために、ヒザや足首の靭帯を傷めたり、転倒しても選手は自転車にくくり付けられたままだった。
ベイルは1984年に独自のクリップレス・ペダルを開発した。1985年にベルナール・イノーがそのシステムでツール・ド・フランスを制すると、販売にも弾みがついた。しかし、ベイルは、自分のペダルの欠点にも気づいていた。理想のペダルを開発するためにルックを出て、娘婿のロラン・カタンとタイム社を設立した。
ロラン・カタン
自転車に特化した工夫
自転車とスキーのビンディングは違う。自転車では、ペダリング時にライダーの足は刻々と角度と位置を変えようとする。ケイデンスが高い時、つまり脚が早く回転する時やゆっくりと大きなトルクでペダルを踏みつける時など、足のポジションや角度が異なるのだ。回転が上がるとつま先が内に入り、回転が落ちるとかかとが内に移動する。同時に個人差もある。それらの要素すべてに対応できる機能をもたせて初めてもっとも効率的なパワー伝達が可能になるのだ。
そうすることで足首やヒザなどの関節の故障を減らすこともできる。パフォーマンスを向上させ、故障を減らすことで選手寿命を伸ばした。基本的な考え方は、初代から最新のエクスプレッソに至るまで変わらない。シューズ角度の自由度、シューズ左右位置の自由度を確保することでシューズがペダル上の一点に固定されることなく浮いているように自由に動くことから「フローティング」機能とも呼ぶ。さらに、自由に動くだけでなく、常にセンターの位置にシューズを戻そうとする力が働くことでより安定した力の伝達が可能になるのだ。身体を機材に合わせるのではない。機材を身体に合わせたのだ。
グレッグ・レモンはペダルをタイムに代えた1989年のツールで劇的な勝利を収めた。その後、他のペダルメーカーもシューズの角度を変えることができる機構を加え始めたが、ペダリング時の脚の理想的な動きから開発を始めたのはタイム社であったし、それから25年、さらに機能は進化し続けている
STYLE
FASHIONS FADE, STYLE IS ETERNAL
ファッションは廃れ、スタイルは不滅です
サイクリングはスタイルと同義語です。ジャック・アンクティルやジュリアン・アラフィリップの鮮やかなアタックから、機材を煮詰める準備時間にいたるまで。
バイクにテクノロジーとスタイルを注入します ― フォルムと機能が完璧なハーモニーを奏でます。私たちのバイクは時代を超越したスタイルであり、偉大なイヴ・サンローランが言ったように「ファッションはすたれ、スタイルは永遠なのです」。
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