2年前に偶然ブックオフで見つけた1/20のブルーティッシュドッグを衝動買いした後、
同じく1/20のバーコフ分隊仕様をアマゾンでプレミア価格で購入、10年以上前に作りかけて止まっていたタカラ/Waveの1/24を完成させ、その後1/35のWaveのレッドショルダーカスタムST版の購入、昨年のWave1/35のレッドショルダーカスタムPS版の購入、そして5月末にWave1/35のノーマルスコープドッグ3機セットの購入と、スコープドッグに取りつかれております。
バンダイ 1/20スコープドッグ(ブルーティッシュドッグ改造)
40年近く私たちを魅了してやまないスコープドッグとはいったいなんなのか?
1984年にテレビで放送された、「装甲騎兵ボトムズ」というアニメーション作品に出てくるロボットです。
とにかく大量に生産され廃棄される文字通りの「量産機」
この世界では、複数の星を合わせた惑星連合同士で100年以上も戦争が続いており、装甲騎兵(アーマード・トルーパー)というロボットが主力兵器となっています。中でもこの「スコープドッグ」という機体は最も多く生産され、一説には一億機以上とも言われています。
スコープドッグの由来ともなっている特徴的な3連カメラ
なぜそんなに生産されたかというと、装甲騎兵というロボット兵器はそれまでのロボットアニメに登場したロボットとは異なり、攻撃力や防御力は戦車以下だが、安価で生産しやすく、パイロット一名で操縦と攻撃が可能な上、人間型の利点を生かして作戦に応じて様々な武装を取り扱う事ができたり、都市や不整地、ジャングルなどの車両や航空機が自由に活動できないところでも活動できるという利点があったからです。
要は歩兵を強化でき、数をそろえることによって汎用的な戦力として運用できるということになります。
ロボットならではの人間離れしたアクションも魅力
ローラダッシュとターンピック
また、人間型ではあるものの、ロボットである利点を生かし、地上を歩いたり走ったりせずに高速に移動でき、敵の攻撃を回避したり、敵に向かって高速に突撃したりすることができる「ローラーダッシュ」という機能や、ローラーダッシュ中に足首から短い杭を地面に打ちこんで片足を固定しその場で急激にターンする(戦車でいう「信地旋回」)ための「ターンピック」といった人間には不可能な動きが可能で、4M前後と人が乗って操縦するこの手のアニメのロボットとしては限界近くのサイズと相まってスピーディーでカッコいい動きをします。
特にこの「ローラーダッシュ」と「ターンピック」を利用した、地面を削るような「キュイーン」という音を響かせながら、脚と地面がこすれて火花を散らしながらの機動は非常に特徴的で、基本的に空中戦闘が出来ず平面的な移動しかできないのを逆手に取った魅力あふれるアクションとなっています。
元々監督は緊急にその場を離脱するための、30M程度の動きを限界に考えていたそうですが、実際のATの基本的な移動方法になっています。
薬莢の排莢がカッコよすぎる!「アームパンチ」
また格闘戦時に火薬の爆発力を用いて前腕部を伸縮させ、相手にパンチを叩き込む「アームパンチ」という仕組みでは、パンチ後、銃の薬莢の排出同様カートリッジと煙が出ます。
メイン武装のヘビイマシンガンは液体火薬を使用するという設定のため排莢はない(おそらくアニメの作画の都合?)のですが、アームパンチの排莢はめっちゃカッコいいです。
衝撃吸収、パイロット搭乗のための「降着機構」
高所から飛び降りる際に衝撃を吸収したり、人が乗り込むために作動する「降着機構」という仕組みも見ものです。膝関節が通常の人間とは逆に曲がり、ショックを吸収したり、パイロットが乗り込みやすいようにコックピット部分を地面に近づけるような姿勢をとることができます。特に本作のヒロインフィアナの「降着状態のまま操縦席に乗り込まず横乗りローラーダッシュ」は最高にかっこいいです。ほかにも要所要所で用いられており、印象に残る機能ですね。
上のような特徴的な機能がデザイン面に非常にうまく落とし込まれており、作品中での使われ方も印象的かつ効果的で、スコープドッグの大きな魅力となっています。
町工場のようなところで、スクラップから組み立てが可能
またATは、構造が単純で生産性が高く価格が安い、大量に生産され廃棄されたり払い下げたりされており、町工場のようなところで整備や組み立てが可能というのも大きな魅力になっています。
それまでのリアル系ロボットアニメ、たとえば「ガンダム」では、軍のようなある程度大きな組織が運用するという設定で、整備や修理も行われていました。
また、ボトムズと同じ高橋良輔監督の前作「太陽の牙 ダグラム」では、反政府ゲリラがやはり10Mの巨大ロボットを用いるのですが、きちんとした整備が出来ずに動かなくなったりする話があるなど、巨大ロボットの運用の困難さの話があったりなどそれなりに面白かったものの、ストーリーに制約ができてしまうのは否めないと思います。
スコープドッグの「そこら中スクラップが転がっており、組み立てに特殊な設備もいらず自動車の組み立て修理のような感覚でガレージのようなところで組み立てや改造可能」という設定は、ストーリーを面白くするのに画期的だったと思います。
「簡単に破壊され、それでも同じ機体が簡単に手に入る」
上の設定により、主人公の乗るロボットを過剰に無敵化する必要が無くなり、主人公が死ぬことは無くても主人公のロボットは破壊される=敗北させることが可能となり、話ががぜん面白くなったという面があります。
どういうことかというと、主人公の乗るロボットが特別なワンオフ機だと、敵やライバルに破壊された場合話を続けるのが困難になってしまうのですが、(シリーズで一回ぐらいは破壊され、新型機に乗り換える「主人公機交代」というイベントが可能)スコープドッグの場合は入手が簡単なため、ストーリー上の必要があればいつでも主人公機を破壊することが可能になるという事です。
事実、第1話でキリコの乗ったスコープドッグは、最初の15分で味方の罠にはまって破壊され、第2話では話の最後に、スクラップ工場におかれた動かないスコープドッグのコクピットに逃げ込んで隠れ眠ってしまうという具合です。
第3話では廃棄されたスコープドッグを修理してなんとか動くようにして戦いますが、それが第2話で眠った機体と別の機体だとすると、もうこの時点で3機目という事になってしまいます。この3機目も話の最後で炎に包まれてしまい、第4話の頭で消火器で消火液を掛けられてしまい、第4話ではまたまた別の機体(けどやはり形も色も同じ)に搭乗します(4機目)が、これはバトリングスタジアムのビジター用の機体という事なので、次の第5話では別の機体に搭乗した可能性も高く、だとすると1話にいっきづつ乗り換えるという凄いことになってしまっています。(ちなみにこの話では、スコープドッグが一台おとりになって破壊されますが、これは第三話の機体なんじゃないかと思います。)
第6話では冒頭で5話で乗っていた機体を乗り捨てます。
第7話で新しい中古?の機体を調達してもらい(6機目)、こちらは珍しく破壊されずに済みますが、第8話では手も足もでずあっさり負けて破壊されてしまいます。
第10話では、バトリングスタジアムに忍び込んでそこのスコープドッグに追加武装をつけて改造をはじめます(7機目)第11話ではその機体は故障して乗り捨て、無人で動くおとりの機体(ラビット)(8機目)の2機が破壊され、エネルギー満タンの機体にまたもや乗り込みます(9機目)
エネルギー満タンだけあって、この9機目は12話まで保ちますが、やっぱり壊されてしまいます。
第13話は第一部ウド篇の最終回となりますが、ここではそれまでのスクラップや払い下げの中古ではなく、正規軍特殊部隊の機体を奪って乗ります。(10機目)それまでずっと緑色の機体でしたが今回は紫色の機体、尚且つパラシュートザック装備という珍しいパターンになりました。破壊された描写はありませんでしたが、次の話では別の機体(湿地帯用に改造された「マーシイドッグ」(11機目))に乗りますのでやはり乗り捨てたとみて間違いないと思います。
14話からはベトナム戦争やカンボジア内戦をイメージさせる熱帯のジャングルが舞台となります。ここでは味方は新型の「ダイビングビートル」という機体に乗りますが、キリコは乗りなれているのがいいという理由でスコープドッグを湿地帯用に対応するように改造した「マーシイドッグ」に乗りますが、作中誰もその名前で呼びませんし、下半身が少し違うだけなので要するにスコープドッグです。
腰から下だけ防水処理していますが、上半身は水がダダモレです。他にだれも乗っていないので、キリコ機だというのが一目でわかるメリットあり。ジャングルでの戦闘時木に引っかかったりしないよう重心とストックを短くカットしたヘビーマシンガンがカッコいいです。
この「クメン篇」では、中世の騎士のようなデザインやエングレービング装飾、盾に装着された「パイルバンカー」という金属のぶっとい杭を敵に打ち込む必殺技を持つヒーロー的なロボ「ベルゼルガ(狂戦士)」が登場します。
当時予備知識なく視聴し、いつか「ボトムズ」という名前の機体の登場を期待していたキッズは「ついに出た!こいつが装甲騎兵ボトムズかー!」と勘違いしましたが、身長2Mもあるワンショルの原始人みたいなやつの専用機でずっこけました。
文明を捨てた部族「クエント人」傭兵のルシャッコ。
こんな見た目ですが話が進むにつれてカッコよく見えてきます。
クメン篇でもけっこうマーシードッグを乗り捨てたり破壊されたりされていますが、今後確認していきます。
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